「 第30回 豊田市民総合体育大会 『拳士の思い』 」
【この武道の価値】 H.S.(71才)
本日は、貴重な機会をいただきありがとうございます。
現在71歳の私が69歳で少林寺拳法を始めて感じた、この武道の価値についてお話ししたいと思います。
【私がなぜ少林寺拳法を始めたか】
皆様は、『その齢で今さら武道を?』と思われるかもしれません。実際、私自身も迷いがありました。
私は小さいころに剣道を習っていた経験があり、武道への興味はずっと持ち続けておりました。
69歳になった頃、仕事の上では自分が中心となって働く立場から若い人をサポートする立場へ変わり、
突如、もう一度武道をやってみたいという思いが湧いてきました。目的は健康維持もありますが、もっと精神的に強くなりたい、
物事に動じない自分を作りたいという気持ちからです。先ずは剣道を考えたのですが、少林寺拳法の『護身術としての実用性』と
『勝敗よりも心の成長』という考え方に惹かれ、少林寺拳法を選びました。当然ながら体力は、若いころとは、比べものになりません。
それでも、残りの人生で新たな挑戦をしたいという思いがあります。
私は長年、車の設計に従事し、難しい仕事を数多く経験してきました。
そのことから、難しい事に挑戦して、うまくいっても、いかなくても、何か必ず自分の成長につながると経験的に感じています。
はじめて道場に足を踏み入れた時、若い拳士の方がたくさんおられました。当然、体力もスピードもそして記憶力も私よりはるかに優れています。
正直、「ついていけるだろうか…」と思いました。しかし、修練をはじめてすぐに感じたのは、少林寺拳法は単に体力や技術の優劣を競うものではなく、
年齢や自分の能力に合わせて、自分なりの歩みで成長していくことができる『修練メニュー』が用意されているということ事でした。
【「人づくりの行」の実践】
少林寺拳法は、創始者である宗道臣先生が、「平和で物心共に豊かな社会をつくりたい」という強い願いで始めた「人づくりの行」と位置づけられています。
技を通じて「つよさ」「やさしさ」「かしこさ」を身につけ、周りの人々を思いやり、元気づけることのできる人間の育成を目指しているのです。
道院では、私の動きが遅くても、覚えが悪くても、先輩たちが根気よく、指導して下さり、励まして下さいます。 子どもの頃に習った剣道は、
個人の技術向上が中心でしたが、少林寺拳法は相手と協調し、共に成長する。これこそが「人づくりの行」の実践なんだなぁと日々感じています。
【私が気づいた事】
ここまでの1年8か月の修行を通じて、いくつか気づいたことがあります。その中でも特に重要だと思うのは、@挑戦する事。年齢を言い訳にせず、
やりたいことがあれば一歩を踏み出す事です。そしてもうひとつ、A他者と調和していくこと。 競争ではなく協調する事の重要さを日々実感しています。
【最後に】
『人は人によって人となる』これは、哲学者カントの言葉です。共に学び、共に成長していく仲間がいるからこそ、
私たちは真の強さと優しさを身につけることができるという事だと思います。 私も引き続きこの道をがんばっていきたいと思います。
ご清聴頂き、ありがとうございました。_