【僧階補任講習を受講して】 Y.K.(?才)
3月5日 本山にて僧階補任講習を受講し、大導師の補任を受けました。
中導師補任が2016年7月。本山帰山は2017年の四段受験以来5年ぶりになります。
早朝6時30分集合ということで、丸亀駅から始発電車に乗り、5時45分多度津駅着。
日の出前で辺りはまだ暗く、拳士らしい人は全くいない状況。本山までの道順がよくわか
っておらず「他の拳士の後をついていけばいいや」なんて思っていたのが甘かった・・・。
結局、Googleナビの音声を頼りに6時過ぎに本山入りしました。
受付を済ませ作務を行います。今回は、中導師補任が6名、大導師補任が私のみ。本堂の
雑巾がけは、片道33m。人数が少ないので3往復して足腰がヘロヘロになりました。
早朝から過酷な修行でした。
講習は、中導師の方々と一緒に講義や実技を受けるものと、大導師のみ別室で受けるもの
がありました。カリキュラムは、鎮魂行の意義と教典の意味、易筋行修行法、法話演習、
金剛禅の布教について、法衣の着用、法座・・・。
鎮魂行の意義および教典の意味、鎮魂行の所作で、気づきがいくつかありました。鎮魂行
の細かい所作は、道院長から常々指導されていたので、正しい方法についての再確認がで
きました。1日2万回、無意識で行っている呼吸を意識すること、呼吸に合わせて思念す
ること。慣れに任せず、一回一回を大切に積み重ねていきたいと思います。
易筋行については、技の教授が主であり、組手主体で人間関係の向上や協力の大切さを学
ぶという大まかな概念でいましたが、三徳兼備の修行法という意識での修練体系を普段の
修練で意識づけができていなかったと感じました。修練に教えを練りこむという、「少林
寺拳法 “で” 教える」とは、自分がそれを意識していなければ、単なる技芸教授になっ
てしまいます。「健康増進」「精神修養」「護身錬胆」に繋げる修行を意識づけながら指
導にかかわっていきたいと思いました。
法話演習では、言葉で伝える難しさは職業柄、常に感じているので、いかに相手に齟齬な
く伝えるかを考え、視覚的な資料も使用し工夫をしてみましたが、5分という時間内で、
情報を入れすぎた点にご指摘を受け、何を伝えたいかというポイントをもう少し絞るとよ
かったと思います。スピーチでも分かりやすさと共感できる内容であるか、常に意識して
実践していくことと、今後は儀式の導師を経験し法話技術を合わせて高めていきたいです。
道院長資格のひとつである大導師の補任を受け、自分が布教者であるという自覚を持って
修行に邁進していく所存です。未熟な点が多々あり、師の格に至るにはまだまだですが、
資格に見合うよう自分を高めていきたいです。副道院長は、道院運営を円滑に行う上で、
道院長の補佐という立場ですが、補佐の域に留まらず、共同、協同して門下生の教化育成
と布教活動に邁進したいと思います。