【中拳士三段を受験して】 S.A.(55才)
【少拳士二段を受験して】 M.K.(18才)
2012年の新春法会。入門してから8年…7回目となる新年の抱負で、私は「三段受験」を決意しました。
そして、さる4月22日。多くの方に支えられながら、励まされながら、「合格」という日を迎えることができました。
平井道院長、朝日の拳士はもとより、道院長の師Y道院長をはじめ、T拳士、刈谷北のK道院長、そして家族…
何よりもまずみなさまに深謝いたします。
《受験までの道のり》
元々は、3月受験を第一目標に計画を立て修練に励み、また、自分が逃げないように?道院の仲間にも公言していました。
しかし、自分より段位が上の人が道院に少ないこともあり、自身の習熟不足感はもちろんですが、
加えて、試験でどんな相手が来ても大丈夫なんだろうかという漠然とした不安を抱えていました。
そこで道院長に相談をし、2月に朝日の親道院へ出稽古(腕試し?)に行かせていただいたのです。
直接、Y道院長のご指導を受け、不安は的中。「とても受けるレベルに達していない…」と痛烈に体感、
客観的に自分の未熟さと向き合うことになったのです。
「いままで自分はどんな修練をしてきたのか?」…弱気になり、受験意欲が消えかけている。
そんな様子を見てとられたのか、Y道院長がかけてくださった一言は、「また、いつでも修練にきなさい」。
その瞬間、「そうだ、自分ひとりでやっているんじゃない。いろんな方に支えられ、生かされているんだ。
自分だけの都合であきらめるわけにはいかない」と、フッと我に返ることができました。
翌週、受験を4月に延期させて欲しい旨、道院長に相談。了承をいただき、その後はまたひたすら修練、修練…
同日に二段受験予定のK君と週3日の参座をこなしながら、最終的に見極め許可もいただいた上で、晴れて受験となりました。
《試験当日》
三段受験予定者は私含め二名。しかし、一方の拳士がケガで急遽キャンセルとなり、私は一人で受験することになったのです。
「もしかして、不戦勝!?」とふざけた言葉が一瞬脳裏をかすめましたが、そんなはずもなく…
自分の甘えとは裏腹に、キャンセルした拳士の所属道院長が実技試験の相手をしてくださることになったのです。
考試員の先生二人+相手をしていただく先生一人…つまり、三人の道院長に囲まれた、たった一人の受験。
この時の心境は、とても言葉では表現できません。基本、運歩・・・等進む中、「天空の城ラピュタ(宮崎駿先生の映画)」で、
主人公が低気圧の雲の中に突入して周りの音が聞こえなくなる…そんな無音状態が突如私を襲ってきたのです。
「だめだ、ヤバイ…!」その時、平井道院長のアドバイスが突如脳裏に閃き…!!
「すいません、声がでませんので水分補給させてください」と右手を上げ、声を発することができたのでした。
水分補給をする間、考試員の先生からも、「あせらず、ゆっくりやりましょう」とお声かけいただいて、
そこで重苦しさから一気に解放された気持ちになりました。
振り返れば、ひとりでの受験でもひとりじゃない。試験会場でもやはり周囲に支えられ援けられていた。
これこそが、少林寺拳法の王道なのでしょう。今後は、この稀有で貴重な経験を活かし、道場内はもちろん、
社会生活の中で誰かの役に立てるよう、支える側になれるよう「人づくりの行」に日々精進して行きたいと思います。
最後にもう一度、支えてくださったすべての方へ…「ありがとうございました」
ぼくは、四月二十二日に昇格考試を受けました。
学科試験はしっかり勉強をしたつもりでしたが、実際の内容が想像より難しく感じ、時間がかかりました。
幸い追試は無かったのですが、次回三段受験の時には、よりいっそうしっかり勉強して臨もうと思います。
実技試験は、受ける前から緊張で足がガチガチに震えていて、「本当に自分は合格できるだろうか?」
「もっと修練を積み重ねた方がよかったかも…」など、色々な事が頭の中をよぎる中で始まりました。
始まった瞬間からは、「とりあえず思いっきりやろう!」と心に決め、試験に臨みました。
試験が進む中、気がつけば自分の体から緊張が抜けていき、思い通りに体が動きはじめているのに気付き、
「おっ! この調子ならいけるぞ」と自信が湧いてきて、最後まで無事やりきる事ができました。
多少の失敗はありましたが、おかげさまで無事合格。自分的には納得のいく結果になり本当によかったです。
今回の合格は、道院の仲間はもちろん、出稽古に来てくださった他道院の方々のご指導もあり、
「行」としての少林寺拳法の素晴らしさをあらためて感じることができました。
お世話になった皆さん、本当にありがとうございました。